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『ハッセルブラッド503CX』 - 私の体の上を通り過ぎていったカメラたちNo.16


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【ハッセルブラッド503CX 所有期間:2009.12月末~2014.8月】

 ハッセルちゃんとはいろんな場所に一緒に行った。
 無職だった時期に行った鳥取と沖縄・波照間島。波照間島では自分の作風と言うか好きなムードを掴んで、言ってみれば写真開眼(ただし半目)した旅行だったので思い出深い。
 ハッセルの道具としての特性はいろいろ後述するけど、「目立つ。話しかけられやすい」というのも大きな特徴。
 鳥取に旅行のときは、初日に境港でおじさんに話しかけられて、二日目に砂丘で同じおじさんと偶然でくわしました。話しかけられてなかったら気づかなかった偶然。
 波照間島旅行の際には、前日に寄った石垣島の食堂で話しかけられた。僕は思いっきりド素人なのだけど、なんだかすごい写真がうまい人みたいな扱いをされて困る。
 千葉の佐原のお祭りに行ったときも写真おじさんに話しかけられた。
 同じく沖縄の与那国島に行った時に宿の女将さんに「そんなカメラ持ってるってことは、よっぽど写真が好きなのねぇ」と言われた。自分で自分が写真好きかどうかは今でもよくわからないんだけど、なんだか記憶に残るセリフ。
 話しかけられるのは楽しいけど、逆に目立つのが嫌でカバンにしまったままの時もある、というのが自意識過剰な人が使うのには向いていないのかも。だけどローライフレックスよりは目立たないだろうという理由で選んだというのもある。

 ハッセルブラッドを買ったのは2009年の年末。ただブランド志向で買ったわけではなくちゃんと条件があった。
それまで国産の二眼レフを使っていて、良いなと思っていたのでその経験から、
・ウエストレベルファインダーである
・真四角写真が撮れる
・中判である
という条件はまず確定。その二眼レフは巻止め機構が無いなど気になる部分もあったので、上の条件に加えて、
・機械としてちゃんとしている(操作性/故障しない/当然巻止め機構がある)
・一眼レフである
・なるべく小さい
という条件も欲しかった。
で、これらの条件を満たしてなおかつ、レンズ交換、マガジン交換ができるカメラとなると必然的にハッセルブラッドになる。
 カメラ屋であれこれ品定めして選んだ……ということはまったくせずに、普通にヤフオクで買ってみた。予備マガジン、ストラップなどあれこれついて14万ぐらいだった。高いと言えば高いのだけど、昔、写真をやっていたおじさんに値段を言うと絶対に「安いね!」と言われる。今はさらに値下がりしてお求めやすくなっているでしょう(ただしフィルムはお求めにくくなっている)。
 藤田一咲さんが本のなかで「小さい」とか書いてたはずでそれを期待していたのだけど、手元に届いてみて第一印象は「デカくて重いじゃねーか!」だった。でも馴れてくると、あるいは、他の中判カメラと比較してみると、あれが非常に「コンパクト」だというのはよくわかる。
 シャッター音(※ミラーの跳ね上がる音)がすばらしく、あれを聞くのが一種の快感になっていたりする。久しぶりにハッセルを持ち出して最初にシャッターを切った時なんかは、「ボシュッ!」という音に体が反応して、力が抜けて、呼吸が楽になるような感じになったもの(これホント)。そういえば、初めてシャッターを切った時に、クイックリターンミラーじゃないのでファインダーが見えなくなったのを焦った記憶がある。
 ハッセルブラッドでは正方形写真を撮ることになるので、構図はシンプルになる。被写体がど真ん中の「日の丸構図」か、縦横3分の1のラインの交点に被写体を置く構図が使いやすい。というかそれ以外の選択肢が難しい。ファインダーで見える画の被写界深度が浅いので、前ボケの構図を自然と思いつく。シンプルかつ新鮮な正方形の構図とキレイな描写、プラナーレンズの綺麗なボケで、写真がうまくなった気になれる。
 ハッセルのレンズは、絞りとシャッタースピードだけでなく、両者の組み合わせであるEV値も表示されてなおかつEV値を固定したまた絞りとシャッタースピードを同時に変えられるのがホントウに便利。フルマニュアルのカメラなのに絞り優先で撮っているぐらいの操作性ってこと。露出を決めるときも、露出計に表示されたEV値だけ読めば済む。デジタル一眼のマニュアルモードにも「EV固定」機能を搭載したらどうなんだろうか。
 巻き上げレバーがレリーズボタンに添えた右手人差し指に添う角度(45度ぐらい)になっているあたりもニクい設計だ。ブロニカは巻き上げをぐるぐる何度も回さないといけないのに対して、「チャーッ」と一周で巻き上げる気持よさも素敵。とくにフィルムを装填して最初の方のコマほど巻き上げがスムースなので気持いい。馴れてくると、巻き上げが重くなったことと、12枚目を撮り終わった後、フィルムがスプールから抜ける(?)「ファサッ」という小さい音で撮り終えたのがわかる。
 自分が持っていたのはCFレンズだけど、よりコンパクトなCレンズを装着したときは、全体の重心がよりボディの中心に近づくので、さらに軽く感じることができる。「感触」を基準にした場合にCレンズ+C/CMボディを勧める人がいる理由がなんとなくわかる。
 写真自体がヘタでも被写界深度が浅いのでなんとな~く上手そうに見えるとこもいい。なんだったら、持ってるだけで写真が上手そうにみえるところもいい。もちろん実際は関係無い。
 ハッセル、ローライ、ライカあたりはその存在自体が威光を発していて、「ハッセルで撮った、かどうか」という情報を、観る側が気にする傾向が多い。未だに「もうハッセルで撮らないんですか」と聞いてくる人がいるけど、自分にとってはもはやどうでもいい話。人間を判断するのに血液型を聞くのと同じ構造で滑稽だと思う。
 一般に「壊れにくい」と言われているハッセルだけど、ボディとレンズはさておき、マガジンはよく壊れる。ハッセル購入予定の人はその辺を覚悟しておいた方がいい。今はマガジンが壊れた時には修理に出すよりも、新しく中古を買った方が安い時代。定期的に1万数千円は出費する覚悟で。
 ハッセルで撮影するときは、もちろんフルマニュアル。ブローニーフィルムということもあり、一枚一枚「ほんとうにコレ撮るべきか?」と考えながら撮る(精神論というよりは貧乏だから)。ピント合わせ~レリーズまでの時間が一番集中する。ローライと違って、ミラーショックがバショッとデカイので、呼吸と体の動きを止め、たいていの場合は体にカメラを引き付けて固定し、ブレないようにシャッターを切る。そうしてレリーズ後に止めてた息をふぅと吐く。。。だからなんだと言われそうだけど、その「ふぅ」の瞬間がハッセルって感じがする。

 とてもいいカメラで、多くの人が証言しているように最高のカメラのひとつであることは間違いないが、最終的にはフィルムスキャンによりデジタル画像を得る自分のプロセスからすると、フィルム写真にこだわる必然性は無く、むしろフィルムスキャンからの色づくりの困難さと作業のめんどくさ、(デジタルと比べた時の)撮れ高の低さがネックとなっていたので、デジタルへ移行した。
 このブログを見ればわかるけど、ハッセルを手放したあとも「ましかく写真」は続いている。デジタルのフルサイズカメラに35mmレンズをつけて撮って、それをましかくにトリミングすると、ちょうどブローニーフィルム6×6において80mmレンズで撮ったのとほぼ同じ範囲が写る。自分の使っているニコンD800Eはファインダーに正方形を示す格子線を表示させることができるし、5:4のフォーマットが選択できるので、それで撮っている。自分の場合はそれに加えて、背面液晶の保護プラスチックカバーに黒い紙でマスクをして、再生画面でも正方形に見れるようにしてある。フィルムでましかく写真を撮っていてデジカメに移行したいと思っている人は試してみるとよいと思う(ニコン万歳!)。
 この撮り方で、昔ハッセルを持って行った場所に、D800ましかく撮りで再訪して比較撮影をしてみた。結果としては、ハッセル(つかブローニーフィルム撮影)はとにかく撮影枚数が少なすぎるし、フィルムスキャンだとどうしてもシャープネスも低くなる。フィルムの残数を気にせずにどんどんいろんなカットが撮れるのでトータルではやはりデジタルに軍配が上がる。そんな時代だと思う。

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