レビュー:千原兄弟コントライブ「15弱」
2006年7月21日に紀伊国屋サザンシアターで行われたライブを収録。
千原兄弟としてのコントはこれが7年ぶりということだが、もっとやればいいのにと思う面白さ。
僕自身、千原兄弟のコントをじっくり観たのはこれが初めてだが、すばらしい出来。
千原兄弟って面白いんだなぁ(なにを今さら)。
ネタ自体もそうだけど、演技力も素晴らしい。抜群。
そこらの芸人とは何馬身差もある。実力派。
感服いたした。
■伯°爵様(ぱくしゃくさま)
シンプルでわかりやすいネタ。韓流スターに扮した千原せいじが笑いどころであるが、ジュニアの喋りも面白い。
■矢ザラリーマン
矢ガモならぬ。
せいじから携帯を受け取ったジュニアが「トコロです!」と言ったのは、おそらく携帯の相手が「矢ドコロさんですか」と言ったからでしょうね(ということを2回目見た時気づいた)。あるいは「矢ザラリーマンさんですか」のどっちか。前者だった方が面白い。
■Yの新しいやつ
携帯電話の色って「ブロッサムピンク」とか「ヘアラインブラック」とか「ロマンティックゴールド」とか、ややこしい名前になってるでしょ。それの風刺のようなネタ。確かに携帯のカタログ見てると、変だなぁって誰しもが思う。なるほど、そういうことをきっかけにコントってできるんだなぁ。
しかし、なぜか設定は医者と患者。この医者って色の名前は完璧に覚えているくせに、携帯の機種名自体は「Yの新しいやつ」という漠然とした覚え方なんですね。
■コイツ
刑事のおじさんがエロい言葉(ロリコン)だけワープロ速く打てるやつ。テレビで何度か演じられていたので、ご存知の方も多いはず。客のウケもいい。
ジュニアさんがあのカツラ妙に似合うんだよなぁ。最初に「親を大事にしろよ」みたいな話を入れることでリアルになるというか、完成度がずいぶんあがるもんですね。速く打てる言葉とそうでない言葉の配置バランス(リズム感)もよく練られている。
■黒子〜有限会社ダイトー
(解説無し)
歌っているのはあの水木一郎さんだ。
■世界の未来
すごいタイトルだが、女子生徒に対しての生理の授業のコントだ。
下ネタだが、その実、ジュニアの「俗にいう所の◯◯…」と、セイジのそれの言い換え、を楽しむものであるので単純な下ネタでもない(が、やっぱり下ネタだ)。
■お蟹様サポートセンター
ハサミが壊れたカニがお蟹様サポートセンターへ電話する。
「◯◯ノカタハ1ヲ、◯◯ノカタハ2ヲ…オシテクダサイ」というあのもどかしい自動音声応答や、マニュアル通りで融通の利かないオペレーターの対応など、いわばあるあるネタとも言える。
当初はカニではなく「ヒーロー」でやる予定だったらしいがカニの方が携帯のボタンを押す仕草が滑稽でよろしい。面白いです。カニの着ぐるみもよくできてる(目がかわいい)。おススメ作品。
■しょけいだい
死刑の処刑台の話。際どい設定だよなぁ。
けど楽しい。
■ナイトラウンジ美鈴
真剣な話をしている時でもお客さんのカラオケに間の手を入れなくてはいけないというネタ(ネタばれ)。不思議な間の手に注目。
■マスカ?
これに関しては、千原ジュニア本人も言っているように「どうやってできたのかわからない」。観てる側もどういう発想の順序でこういうものが創られたのかまったく想像できない。すごい作品。
■副賞として
車をプレゼントするとき象徴的に「でかいカギ」を渡すけど、車以外のものだったら、でかい……なんでしょう、という大喜利的発想のネタ。
■虫酸 〜MUSHIZU〜
イチャイチャするバカップルとそれを見て虫酸を走らせているハードボイルド風の男のコント。セットも秀逸。このコントのきっかけとなった倉本美津留さん(放送作家。一部の人は寺長(てらおさ)と呼ぶ)のエピソードがめちゃめちゃ面白いので必聴(副音声に収録されている)。
■通夜通夜通夜通夜通夜〜告別式
六つ子のうち5人が死んでしまった人のネタ。
お坊さんのくだりが面白い。何度見ても飽きないのは演技がうまいからだ。
■罪と罰
このDVDの中で一番変なコント。ジュニア本人も「なんでこんなことやりたかったのかわからない」と言う。絵が最初に浮かんでそこからの発想ということでこんな感じになったんでしょうね。でも、悲しいコントですよ、コレは。ちょっと笑えませんよ。
全体的な感想:
すばらしいので、他のも観たくなった。